美少女キャラクターで車体を装飾したいわゆる「痛車」ってありますよね。最近は車のみならず、「痛チャリ」や「痛単車(いたんしゃ)」、スノーボードに絵付けした「痛板」のほか、「痛茶」等のドリンクまで登場しさらなる盛り上がりを見せている様子。

そんな「痛業界」に、なんと「痛スーツ」なるニューウェイブが参戦していた。スーツのジャケット裏地にいわゆる萌えキャラをプリントしてあり、世界に一着しかない完全オーダーメイドである。

内ポケットから名刺入れやペンを取り出すときや、居酒屋などで店員さんに「上着、お預かりしますね~」みたいな場面になったとき、みんなの視線をひとりじめできることは間違いない。ゲームやアニメ、音楽業界といった業種の社員なら「あり」なような気もするが……。この、ふだん人からは見えない部分に込められた熱い思い入れについて、「痛スーツproject」代表の吉田竜一さんにお話を伺ってみた。そもそも、痛スーツの着想はどこから思い付いたのでしょう?

「実は、私の実家は神戸で祖父の代から50年続く仕立屋でして。
私は3代目なのですが、クールビズなどの流れもあって、将来的に先細りになるなあと……。さらに、時代の流れと共に安価な既製品が増えて体型に難のある方や、スーツに強いこだわりがある方以外、オーダーメイドをされる方も減ってきています。そこで、私自身がもともとアニメ、アイドルなどオタク文化が好きだったことから、スーツ×萌えに活路を見出せないかと考えたのがきっかけです」

とのこと。単に美少女キャラがプリントしてあるスーツ、というだけではなく生地やデザイン、縫製に関しても本格的なアドバイスが可能なので、品質にも自信ありという。
気になるお値段は上下で5~50万ということでかなりの幅があるのだが、今のところまずはメールで相談後、見積もりを出してもらうというシステム。

「すでにちらほらお問い合わせをいただいておりまして、個別にお問い合わせやオーダーを受け付けているほか、6月ごろにはより簡単に注文できるようなオーダーシステムを導入する予定です。
見本では左右に1枚ずつイラストをプリントしていますが、たとえば連続パターンとして模様のようにプリントすることもできますし、デザイン性にこだわられる方にもきめ細かな対応が可能です」とのことだった。

メンズスーツだけではなく、レディースももちろんオーダー可能だそうなので腐女子の皆さんにもおすすめだ。大好きなあのキャラといつも一緒にいるようなドキドキ感が味わえるかも!?(笑)

今後、秋葉原や日本橋といったオタクの聖地における展開や、将来的には世界をも視野に入れているそう。2013年7月にはフランス・パリで開催されるヨーロッパ最大の日本文化イベント「JAPAN EXPO」に向け出展準備中。しかし、なにぶん始めたばかりのプロジェクトでお金がないので、「CAMPFIRE」といったサイトで出資者を募ったりもしているのだそうで……。メイドインジャパンの萌えスーツをパリジャン&パリジェンヌが身にまとう日が来るのか!? 今後のなりゆきを見守っていきたいと思います。

(まめこ)